吉村宣教師による聖書研究会

 前回始まった「ヘブライ人への手紙」の学びは、今日は2章についてでした。1章では、イエス様は天使を超える存在であることが強調され、まさに天の父なるみ神と同列な方であるイエス様が読者の目の前に現れました。

 2章はとても対照的です。そのイエス様が肉と血をまとって人間となられ、十字架の上で死を被ることで、死をもたらす悪魔を一緒に滅ぼし、人間を死の奴隷状態から解放する道を開きました。

 しかし、それだけではなかったのです。この天の父なるみ神と同列の方は、血と肉をまとったがために、人間と同じように試練を受け、人間と同じように苦しむことを知ったのです。それだからこそ、試練を受けている人たちのことがわかり、助けることができるのです。これが、私たちの救い主なのです。この、天の父なるみ神と同列の方が、私たちと同様に試練に遭われた、というテーマは、4章でまた繰り返されます。

 本日は、話し合いや質問の時間がとても活発で、イエス・キリストがユダヤ教やイスラム教でどう扱われているかとか、ヘブライ語とギリシャ語の旧約聖書の成り立ちや違いについて、また当時の地中海世界のユダヤ教徒の言語的帰属等についていろいろ話が及びました。

聖書のヘブライ人への手紙2章

吉村宣教師の聖書研究会(ヘブライ人への手紙)

 毎月の第4主日は吉村宣教師が担当する聖書研究会があります(今月は第五主日)。今回からは、「ヘブライ人への手紙」を一緒に学びます。

 初回の今日は、同手紙の概説の話を聞き、第一章について学びました。この、旧約聖書をふんだんに使いこなしながら、キリスト教徒を親身に、時には厳しく時には励ましをもって導こうとする著者は、どんな背景を持つ者か、どのような状況にある教会の信徒に書いているのか等が概説の主眼でした。

 第一章を通して、キリスト信仰者は、天使の実在を信じても、それを崇拝してはならないこと、崇拝の対象はあくまで父、御子、聖霊の三位一体の神であることを確認しました。

ヘブライ人への手紙「天使たちは皆、奉仕する霊であって、救いを受け継ぐことになっている人々に仕えるために、遣わされたのではなかったですか。」ヘブライ人への手紙1章14節