10月21日家庭料理クラブのご報告

大型台風の接近のニュースに、天候が心配される中、10月のスオミ教会家庭料理クラブは、「ムスティッカプッラ」を作りました。

最初にお祈りをしてスタートです。

今回は、フィンランド人の大好きなプッラとブルーベリーの取り合わせに、作業前から期待感が高まりました。

最初はプッラ生地を作ります、
今回は少し柔らか目の生地作りにトライです。
頑張って捏ねた木地は、とても良い出来上がりになりました。
発酵、成形と作業が進み、最後のブルーベリーの登場に、歓声が上がり、丁重に生地に乗せ、オープンへ。
きれいな焼き色と香ばしい香りに、試食タイムが待たれます。

柔らか目に頑張って捏ねた生地は、とても美味しい出来上がりになりました。

パイブィ先生からは、森に自生するブルーベリーのお話をたっぷり聞かせて頂き、
聖書についても、分かりやすくお話しして頂きました。

参加の皆様お疲れ様でした。


次回の「家庭料理クラブ」は、 11月11日を予定しています。


 2017年10月21日ブルーベリーの話

今日は、皆さんと一緒にmustikkapulla ブルーベリープッラを楽しく作ることができました。フィンランドの多くの家庭では、毎年ブルーベリーを採る季節にブルーベリープッラやパイを作るのは習慣になっています。新鮮な採ったばかりのブルーベリーから作るブルーベリープッラを味わうのは家族みんなにとっての楽しみです。

フィンランドでブルーベリーは森で採られるベリーの中で最も人気があるベリーの一つです。ブルーベリーの実は、7月の終わりごろからなり始めますが、収穫は年によって大きく変わります。ブルーベリーの花は寒さにとても弱いです。5月から6月、ブルーベリーの花が咲く時に、もし気温が下がって夜にマイナスになると実はあまり出来ません。また、蜂が少ない年は、受粉も少なくなるので、ベリーの収穫はよくありません。ブルーベリーが出来るのには水分も大事です。よく育つ場所は森の中の湿っているところです。ブルーベリーはフィンランド全国にみられる植物で、高さは15―20cmくらいと低いです。

ブルーベリーは、7月の終わり頃から8月の終わり位まで採ることが出来ます。ちょうどこの頃は森の中に蚊や蠅が沢山いるし、そして暑い夏の日は森の中でブルーベリーを採るのはなかなか大変です。それでも、人によっては、何十リットルも採る人もいます。私たちが住んでいたトゥルクの家の隣のおじいさんは、毎年ブルーベリーを何百リットルも採って、お店や近所の人々にわけてあげたり、売ったりしていました。

フィンランド人はどうしてブルーベリーを沢山採るのでしょうか?それは、健康にとてもよいからです。ブルーベリーには、ビタミンA,B とC、そしてミネラルも多く含まれています。最近ブルーベリーの栄養や健康への良い影響が注目されているので、その使われ方が広がりました。例えば、目にも良い影響があることがわかりました。ブルーベリーの健康への影響はまだ研究されている段階なので、新たな発見も出てくると思います。

フィンランド人は、ブルーベリーをそのまま冷凍にしたり、また乾燥果実にして保存します。もちろん、ベリーからジュースヤジャムも作ったりします。ブルーベリーは、ほとんどデサートやお菓子の材料に使われます。例えば、いろいろな種類のケーキやゼリーなどです。昔は、採ったブルーベリーは、そのまま牛乳と混ぜたりしました。私も子供の頃、そのような飲み物を作ってよく飲みました。飲んだ後は、唇も口の中もブルーベリーの色で青くなりました。

フィンランドの森は、私有地の森でも、ブルーベリーや他のベリーを自由にとることが出来ます。それで、フィンランドではベリーを沢山採るのは、だれにとっても当たり前のように感じられます。しかし、少し考えてみると、これはある意味で奇跡のようにも感じられます。私たちは種を蒔いたり水や肥料をあげなくても、こんなに美味しくて、しかも健康に良い食べ物が沢山得ることが出来るからです。ブルーベリーの実も他の自然の豊かな実りもみな、天と地を造られた神様が私たちに与えてくださるものです。しかしながら、自然から得られるブルーベリーは当たりまえのもののようなので、それを与えて下さる神様への感謝の気持ちは忘れてしまいます。私たちの日常生活の中には神様に感謝することが本当は沢山あると思うのですが、皆さんはお気づきになるでしょうか?聖書の中に感謝について次のように書いてある箇所があります。「いつも、あらゆることについて、私たちの主イエス・キリストの名により、父である神に感謝しなさい。」エフェソの信徒への手紙5章20節です。

私たちは天と地と人間の全てを造られた神様にいつも感謝することが出来るでしょうか?生活の中に嬉しい、素晴らしいことがある時には感謝するのは簡単です。しかし、当たりまえのようになったことは感謝するのを簡単に忘れてしまうのではないでしょうか?また、生活の中に困難がある時には感謝することなどできないでしょう。そのような時、感謝することなんか何もないと思ってしまいます。でも、本当はあるのです。困難の時にも感謝することがあることに気づくと心に平安が得られます。どこに感謝することがあるでしょうか?悩みや苦しみがある時、私たちはお祈りして神様に全てのことを伝えることが出来ます。私たちは自分の父親に対するのと同じように信頼をもって、天の父である神様にお祈りして全てのことを伝えることが出来ます。全てのことを伝えるというのは、大きな信頼のあらわれです。そして、神様を信頼していれば、全てのことを神様の御手に委ねることもできます。こうして、困難がある時に天の父である神様にお祈りして全てを委ねることが出来れば、神様に対して感謝の気持ちが起こってきます。この時、私たちは困難の中にあっても心には平安があります。神様が与えて下さる平安です。

ブルーベリーを含めて、私たちのために与えられるものは全て、神様の手によるものです。だから、私たちの感謝も、最終的には創造主である神様に向けられるのがふさわしいと思います。

新規の投稿
  • 2025年4月27日(日)復活節第二主日 礼拝 説教 木村 長政 名誉牧師 (日本福音ルーテル教会)
    私たちの父なる神と、主イエス・キリストから恵みと平安があなた方にあるように。 アーメン 2025・4月27日(日) 聖書:ヨハネ福音書20章19~23節 説教題:「聖霊を受けよ」 […もっと見る]
  • 牧師の週報コラム
     ルターの聖句の説き明かし(フィンランドの聖書日課 「神の子らへのマンナ」4月17日の日課 「その一人の方は全ての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。」(第二コリント5章15節) […もっと見る]
  • スオミ教会・フィンランド家庭料理クラブのご案内
    5月の料理クラブは10日(土)13時から開催します。 今フィンランドでも春の季節が深まってきています!5月の料理クラブではフィンランドの伝統的なドーナツ「ムンキ」を作ります。表面はサクサク、中身はソフトな甘いムンキの秘密はプッラの生地で作ること。 […もっと見る]
  • 手芸クラブの報告
    4月の手芸クラブは23日に開催しました。暖かい雨の日で梅雨を思わせる陽気でしたが、今は色んな花が咲いているので、とても美しい季節です。 今回の作品は前回に続いてバンド織りのキーホルダーです。はじめに前回と同じように参加者がキーホルダーの毛糸の色を選びます。選んだ毛糸でどんなキーホルダーが出来るか楽しみです。 […もっと見る]
  • 子ども料理教室の報告
    子ども料理教室は4月19日に開催しました。この日はちょうどイースター/復活祭の前日だったので、みんなでイースター・パイナップル・マフィンを作ってイースター・エッグの飾りつけをしました。 […もっと見る]
  • 歳時記
    <・・・・あなたがたの名が天にしるされていることを喜びなさい。 ルカ 10:20 ここで、あなたがたに奥義を告げよう。わたしたちすべては、眠り続けるのではない。終りのラッパの響きと共に、またたく間に、一瞬にして変えられる。 Ⅰコリント 15:51> […もっと見る]
  • 牧師の週報コラム 
    ルターによる御言葉の説き明かし(フィンランドの聖書日課「神の子らへのマンナ」4月8日の日課から 「全ての人がアダムを通して死ぬように、全ての人はキリストを通して生けるものにされるのです。」 第一コリント15章22節 […もっと見る]