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心待にしていた涼やかな気候のなか、お休みを頂いていた「スオミ教会家庭料理クラブ」は再開しました。メニューは「お母さんのベリーケーキ」mamman marjapiirakkaフィンランドでも人気の高いブルーベリーを使ったケーキです。
最初にお祈りをしてスタートです。
計量をして生地を作り、冷蔵庫で休ませます。次は生地に流すクリーム作りです、計量した材料を混ぜ、使った道具類は洗われ、スムーズに作業が進みながらも、楽しい会話も盛り上り、4台のケーキはオーブンに入りました。
焼き上がりを待つ間、キュウリとパプリカを添えたクラッカーに、飲み物や食器類の用意と、牧師館のキッチンは大忙しでした。
きれいに焼き上がったケーキを、最初はアツアツで頂き、次は少し冷めてからと、ケーキの味の変化も楽しみました。
パイヴィ先生からは、フィンランドで過ごされた夏休みの楽しいエピソードや、ベリーのお話、聖書と詩編34章の一節を聞かせて頂きました。
次回のスオミ教会家庭料理クラブは11月開催予定です。
参加の皆様、お疲れさまでした、ご一緒できる機会を楽しみにしています。
今日皆さんと一緒に作ったブルーベリー・ケーキはフィンランドの家庭でよく作られるケーキの一つです。ブルーベリーの季節になるとどの家庭でも作られて、家族皆で出来上がりのケーキを美味しく味わいます。名前はフィンランド語で「mamman marjapiirakka」と言います。日本語に訳すと、「お母さんのベリーケーキ」です。
「Mamman marjapiirakka」はフィンランドの伝統的なベリーのケーキで、私の母もよく作りました。このケーキは、1976年に「Valio」というフィンランドの乳製品の会社の試験所でJarvinenという家庭科の先生が作ったのが始まりだそうです。「Valio」は新しい乳製品を沢山開発する会社なので、Valioから出されている乳製品の種類はとても多いです。1970年代にValioは酸っぱみがあるkermaviili という乳製品を開発して、これを多くの人たちが使うようになるために、Järvinen先生は「Mamman marjapiirakka」のレシピを作りました。この時ケーキのレシピは多くの雑誌にのせられて、フィンランド全国に広がりました。それで、「Mamman marjapiirakka」はあっという間に多くの家庭で作られるようになって、フィンランド人の好きなケーキの一つになりました。50年前に初めて作られたケーキが現在多くの家庭で作られるようになったのは興味深いことです。
今では「Mamman marjapiirakka」にはいろいろなバージョンがあります。上にのせるベリーはブルーベリーだけではなく、リンゴンベリー、ラズベリーなども使われます。スパイスに、シナモンかカーダモンを入れたら味の変化も出ます。
今年の夏私たちの家族はフィンランドに一時帰国をしました。今年のフィンランドの夏は珍しく暑くて、30℃くらいの日が一か月ずっと続きました。雨の日は多くありませんでしたので、夏休みを過ごす人たちにとって良い夏の天気でした。しかし雨が少なかったため、自然の植物や畑の野菜や麦などの成長はよくありませんでした。雨が少ない影響で森のブルーベリーやリンゴンベリーもあまり沢山出来なくて、しかも出来たベリーは大きさが普通より小さかったです。こんな夏でしたが、私の父は森にブルーベリーを採りに行って、けっこう沢山採りました。父はベリーがよく採れる森を知っていて、毎年同じ場所で採ります。ブルーベリーはいつもより小さかったでしたが、それでも甘くて美味しかったです。父が採ったブルーベリーのおかげで、私は「mamman marjapiirakka」を作ることが出来ました。父は余ったブルーベリーを冷凍して、冬それを毎朝のオートミールのおかゆの上にのせて食べます。
父は森でブルーベリーを採りましたが、私たちは父の家の庭の「くろくずり」を採りました。森と違って庭には蚊や蠅はいないので庭でベリーを採るのは森より簡単でした。しかし今年の夏は蜂が多かったので、刺されないように注意しなければなりませんでした。蜂は周りで飛ぶだけではなく、ベリーの汁を飲もうとしてベリーにもくっついていました。刺されないように注意してベリーを採りましたが、博明も私も刺されてしまいました。庭の「くろくずり」も去年より少なかったでしたが、「くろくずり」のジュースを作るくらいは十分採れました。
私たちは毎年新鮮なベリーや果物を食べることが出来ます。これは当たりまえのように感じられますが、少しよく考えてみると、美味しいベリーや果物などを食べられるのは私たち人間の努力のおかげではありません。ベリーや果物が育つのに適した光や温度などが必要です。これらは人間にはコントロールは出来ないことです。ベリーや果物の成長は天と地を造られた神様が与えて下さるものです。天の神様は自然を通して私たちに良いものを沢山与えて下さいます。旧約聖書の詩篇には良いものを与えて下さる神様に感謝したり賛美する歌が多くあります。詩篇34篇9-11篇には次のように言われています。「味わい、見よ、主の恵み深さを。いかに幸いなことか、御もとに身を寄せる人は。主の聖なる人々よ、主を畏れ敬え。主を畏れる人には何も欠けることがない。若獅子は獲物がなくて飢えても主に求める人には良いものの欠けることがない。」私たちは天の神様の良い業をこのように気づいて賛美することが出来るでしょうか。私たちは自然を通して神様の御手の良い業を見ることが出来るのです。それがわかれば、私たちの心に神様に感謝する気持ちが生まれるでしょう。私たちの日常生活の中で神様に感謝することが他にもあるでしょうか?
生活の中には嬉しい、素晴らしいことが沢山あると思います。しかし、それらが当たりまえのようになってしまうと、感謝するのを忘れてしまうのではないでしょうか?また、生活の中に困難がある時には感謝することなどできないでしょう。そのような時、感謝することなんか何もないと思ってしまいます。でも、本当はあるのです。困難の時にも感謝することがあることに気づくと心に平安が得られます。どこに感謝することがあるでしょうか?悩みや苦しみがある時、私たちはお祈りして神様に全部のことを打ち明けることが出来ます。もし私たちが自分の父親は頼りに出来る人と思うならば、同じような信頼を持って天の父である神様にお祈りして全部のことを打ち明けてよいのです。神様は私たちも私たちの父親母親もお造りになった創造主です。その方が、私を信頼しなさい、全てのことをお祈りで打ち明けなさい、とおっしゃって下さるのです。それが出来れば、全てのことを神様の御手に委ねて、自分一人で心配事を抱える必要はなくなります。神様が一緒に背負って下さいます。先ほど読んだ詩篇には「いかに幸いなことか、御もとに身を寄せる人は」と書いてありました。私たちは神様に信頼することが出来たら、心に平安も得ることが出来ます。そこから神様に感謝の気持ちも生まれます。
このように、困難の時に天の父である神様にお祈りして全てを打ち明けて委ねることが出来れば、神様に感謝の気持ちが起こってきます。この時、私たちは困難の中にあっても心には平安があります。これは神様が与えて下さる平安です。
いろんなベリーも、他の素晴らしいものも全ては私たちのためになるようにと、神様が与えて下さるものです。だから、私たちの感謝もいつも、最終的には創造主である神様に向けられるのがふさわしいのです。