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3月の料理クラブは11日、春らしい暖かい陽気の日に開催されました。今回はフィンランドの惣菜パン「サルヴィ」Sarviを作りました。
料理クラブはいつもお祈りをしてスタートします。はじめに生地を作ります。計量した材料を順番にボールに入れて、強力粉を少しづつ加えてよく捏ねると生地の形が見えてきます。次にマーガリンを入れてさらに捏ねて生地が出来上がります。ここで一回目の発酵をさせます。その間にサルヴィの中身を準備します。ハムとパプリカを細かく切ってチーズはすりおろしたものを使います。生地が大きく膨らんだのでサルヴィを作り始めます。丸い形に伸ばして、いくつもの三角形の形に切ります。それぞれの上に中身のものをのせます。それからクルクル巻いて角の形に作ります。みんなで楽しく作りました。あっという間に鉄板にはきれいなサルヴィが沢山並びました。それから二回目の発酵をして、オーブンに入れて焼きます。サルヴィはまた大きく膨らんで美味しそうな焼き色がつきました。
早速テーブルのセッティングをして席に着き、出来あがったサルヴィをサラダと一緒に頂きました。もちろん、コーヒー紅茶も一緒です。歓談のひと時に、今フィンランドからスオミ教会にボランティアとして来ている大学生の紹介、それから食べるサルヴィと聖書に出てくるサルヴィ(角)についてのお話を聞きました。
今回の料理クラブも無事に終えることができて天の神さまに感謝です。4月は都合により料理クラブはお休みとなります。次回の料理クラブの日程等が決まりましたら、ホームページでご案内しますので、どうぞフォローしてください。
今日は皆さんと一緒にサルヴィを作りました。サルヴィはフィンランドの惣菜パンの一つです。日本にはコロッケパン、カレーパン等の惣菜パンがありますが、フィンランドではサルヴィの他にもひき肉や魚の肉が入った揚げパン、色んな種類のパイがあります。フィンランドのパンの歴史の中でサルヴィはそんなに昔から作られたパンではありませんが、私は中学生の時、学校の家庭科の調理で簡単なサルヴィを作ったことがあります。
フィンランドではサルヴィはおやつやスナックとして、またパーティの軽食としても出されます。あまり店で売っていなくて、ほとんど家庭で作られます。サルヴィのレシピはいろいろあります。生地は、今日作った材料のものが一番多いです。他には、牛乳のかわりに水を切ったヨーグルトを入れるレシピもあります。今日はイーストを入れて発酵させましたが、生地にベーキングパウダーを入れて早く作れるレシピもあります。サルヴィの生地はソフトでマイルドな味わいなので、中身には風味の強い食材、例えばチーズ、パプリカ、ハム、ハーブチーズ、スパイスキノコ、サンドライト・トマト等が選ばれます。入れる中身によって「チーズ・サルヴィ」、「キノコ・サルヴィ」などと呼ばれます。一番よく作られるのはチーズ・サルヴィです。
サルヴィはフィンランド語で動物の角を意味します。角のような形をしているのでそのように呼ばれます。食べ物と動物の角との関係は、サルヴィだけではありません。フィンランドでは昔、ソーセージを作る時に牛の角を使ってソーセージを作りました。私の実家の引き出しに角が入っているのを見て驚いたことがあります。母はソーセージを作る道具だと教えてくれたものでした。
角は動物にとって大事な部分です。というのは、敵や脅威が近づいていたらそれで守るからです。角は動物の体の最も強い部分だから身を守ることができるのです。私たち人間に角はありませんが、角みたいに私たちを守る者があります。そのことについて聖書には書いてあります。旧約聖書の中に角という言葉が出てきたら、それは「力」や「権力」を意味しました。
新約聖書の中では「ルカによる福音書」1章の「ザカリアの預言」のところで角が出てきます。ザカリアとは、聖書の中に出てくる洗礼者ヨハネという人のお父さんです。ザカリアと奥さんのエリザベトは子どもに恵まれず、もう年をとっていました。ある日、天使がザカリアに現れて「エリザベトは男の子を産む」と告げ知らせました。ザカリアはこんな年寄りにそんなことは起こらないと疑いました。すると彼は口を聞くことができなくなりました。しかし、その後でエリザベトは本当に妊娠して男の子を産みました。名前を決める時に近所の人たちはお父さんにならってザカリアがいいと言いましたが、エリサベトは、いいえ、ヨハネです、と言いはりました。人々が驚いてザカリアに聞くと、彼は板に「この子の名前はヨハネ」と書きました。すると突然ザカリアは話せるようになって、次の預言を語ったのです。「ほめたたえよ、イスラエルの神である主を。主はその民を訪れて開放し、我らの為に救いの角を、僕ダビデの家から起こされた。」ルカ1章68~69節。
ザカリアは「我らの為の救いの角」と言いました。「救いの角」とは何を意味するのでしょうか?角が動物を守る部分であるのと同じように、「救いの角」は世界中の人々を悪いものから守る方を意味しました。つまり、クリスマスの時にお生まれになったイエス様のことです。イエス様は神の子なので角のように強く、私たち人間を守る為にこの世にお生まれになりました。それではイエス様は私たちをどのように守るでしょうか?
私たち人間は心の中にある罪や周りにある悪いことから自分を完全に守ることができません。イエス様は私たちの心の中にある罪を全部かわりに背負ってくださって、十字架の上で私たちの罪の罰を私たちにかわって受けて死なれました。しかしそれで全てが終わったのではありませんでした。十字架の上で死なれたイエス様は三日後に復活されて、死を超えた永遠の命に入れる道を開いてくださいました。このようにイエス様は私たちが罪の罰を神さまから受けないですむよう守って下さったのです。さらに、悪いものが奪い取ることが出来ない永遠の命を私たちに与えて下さり、私たちが神さまの子どもになれるようにして下さったのです。神さまは子どもを守られます。イエス様は本当に「救いの角」なのです。イエス様が救い主であると信じて受け入れると、この「救いの角」は私たちをあらゆる悪いものから守って下さるのです。
今日はサルヴィ「角」の惣菜パンを作りました。パンと一緒に聖書のみ言葉の「救いの角」の意味も覚えて行きましょう。