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<土地は、度々その上に降る雨を吸い込んで、耕す人々に役立つ農作物をもたらすなら、神の祝福を受けます。ヘブライ人への手紙6:7>
蛇の目傘
今年も例年より遅めの梅雨がやって来ました。梅雨といえば中学、高校の学生時代の思い出に番傘があります。番傘とは竹と和紙と荏油(えの油)で拵えた非常にシンプルな傘で、ある時代までは日本人の雨の日の大切なアイテムでした。下ろし立ての番傘を開くとパリパリと音を立て荏油独特の臭いをさせていました。開いた時の音と臭いの記憶、更に開いた傘をさし雨の中に飛び込むと油紙を激しく叩く雨音にも忘れられない思い出がありました。その無骨な番傘の骨を細くして油紙に色を施し蛇の目というシンプルな柄に仕立てた蛇の目傘に日本人の繊細なデザイン感覚にも誇りを感じます。梅雨空に行き交う蛇の目傘は「逝きし世の面影」で現在ではすっかり見られなくなりました、代わりにコンビニの使い捨てのビニール傘が行き交っております。