歳時記

アザミ

地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ、あなたは野の草を食べるであろう。創世記318

若いころ何故か「あざみの歌」に心惹かれた時期がありました。咲き始めの可憐なアザミの花に手を伸ばして葉先の鋭い棘に痛い思いもしました、美しいもの、綺麗なものには棘がある、何となく人間臭くて面白かったです。その後テントを担いで山歩きをするようになりアザミの新芽を味噌汁の具にすると美味い事も知りました。年老いた今アザミを見る度にこの二つの思い出がない混ぜになって現れます。

「山には山の 愁いあり 海には海の 悲しみや ましてこころの 花ぞのに 咲きしあざみの 花ならば   高嶺の百合の それよりも 秘めたる夢を 一すじに くれない燃ゆる その姿 あざみに深き わが想い   いとしき花よ 汝はあざみ こころの花よ 汝はあざみ さだめの径は 涯てなくも かおれよせめて わが胸に」   詩 横井 弘 

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